人間の世界というもの

池波正太郎の作品「色」から

「厭な奴もいりゃア好きな奴もいた。
  馬鹿なのも偉いのも、
   人間らしいのもらしくねえのも、入り交じってるのさ。
    これが人間の世界というものだ」。

これは徳川幕府が最後の抵抗をした「函館・五稜郭」。
 幕府軍の総攻撃を前に交わした榎本武揚土方歳三が会話だ。
  この後、榎本は自らの死と引き替えに、
   部下の無事解放を願い出て、降伏した。

土方歳三は、自刃を決行しようと、ただ一騎充満した幕府軍の中へ……。

その後、榎本武揚は明治政府の要人とした生涯を終わる。

と、メールをいただきました。