松井冬子さん、話題だから

話題だから、モデルなみの美貌とスタイルの松井冬子さんの絵をみてきました。
優れた技量を有している画家ではあるが、
解説を必要とする絵に「?」で、縁は濃くなく、
そして以下の説明に拠り所を見出しました。
上野千鶴子氏によると、松井冬子さんの絵は、過去の DV や、
心的外傷 などがもとになっていると。
事実、当人もそのように認めていて、
鼓膜が破れ、首の骨が折れるほどの、DVにより、片方の耳に障害があるという。


彼女の絵のファンには若い女性が多い。
現代社会で、心的外傷や精神的苦痛を負った女性たち、
暴力で心や体が傷ついた、何も表現方法を持たない女性たちは、
リストカット摂食障害でかろうじて生き延びる。
そんな女性たちが彼女の絵を見て、共感する?のだと・・・


内面の衝動を、日本画の持つ繊細な技法と、強い意図で表わす、
「狂気の一歩手前でふみとどまっている絵」という、
その作品を、上野さんは「自傷系アート」、「アグレッシブ」(攻撃的、積極的)だと。

上野さんが衝撃を受けたという
《世界中の子どもと友達になれる》という卒業制作作品を、
上野さんは、「世界中の子が私と同じ不幸に感染しますように」
というメッセージだと読み解いている。

松井さんが描く人間はすべて傷ついた女性、そして動物。
だからこそ上野さんはそこに「ジェンダー」を見て取り、
彼女の絵の痛みを「ジェンダー化された痛み」だという。

彼女にとって、絵を描く、という表現手段は、
きっと生き延びるために必要だった・・・

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